ぼくの都合

 
 
母が発症したのは、亡くなる1年ちょい前の2012年8月。
胃がんだった。
地元の医者は、切れるから問題ないだろうという見立てだった。
でも、いざ開けてみたら、浸潤していてリンパに飛んでいる可能性があり
がんを切除はしたが、取り切れなかったかもしれないと。
言われた。
が、それでも、大丈夫そうなことを言っていた。
 
そもそも、他の医者にも見てもらおうと最初に言ったのはボクだ
母も、東京で別の医者でも診てもらうことに前向きだった。
理由をつけて兄のそばを離れたかったという気持ちが大きかったと思うが。
 
なのに、実家近くの医者に会って話を聞いたとき、ボクはその医者を信頼しきってしまった。
それほど重大ではない。単純に切除できるから問題ないという言いっぷりだったし
経験も豊富なはずだった。
 
ただ、今思えば、ボクの気持ちがそうさせたのかもしれない。
東京で医者を探すことや、なにより、東京で手術となった場合のその後の通院、母の世話を考えると
地元で完結してほしかった。
 
 
ボクは、自分に都合よく解釈したんだね。
後から考えて、愕然とした。
結局、自分のことしか考えてなくて
自分のことだけが大事で
母はもしかしたら、死ななかったかもしれないと思うと
やりきれない気持ちになった。