36日目、86番志度寺~88番大窪寺 !結願!

最終日す。

本日、無事、結願しました。

遍路をしながら、このライブでブログを更新するという

自身の宿題を達成したことに、乾杯!
自分で自分を褒めてあげようと思います。

1カ月間も、お遍路を続けていると、この生活が日常になっていることが分かります。
明日の目的地がないことが、まだ実感できていません。

88番の大窪寺に到着してからも、まだ、今日だけでも20キロぐらいは歩けそうだと。
この調子なら、明日は45キロは行けるかと(笑)

もう、そんな必要ないみたいです。

何十年後かに、2回目の遍路に来ることがあるかもしれないけど、最初の遍路は2度とできないんですよね。
右も左も分からずに、
マメができて嫌になり、足が痛くて帰りたくなり、でも、少しずつ歩くことに慣れ、自信が出てきて
やっぱり、歩いていると嫌になり、その繰り返し。
起きることのすべてが新鮮で、人との縁を考えさせられる。
遍路の歩き方は、ひとそれぞれだと思うけど、ボクのは、そんな感じです。
 

毎日が幸せで、ずっと続けていきたいとまでは、思わない
都会が恋しい(笑)
 

面白いことも多かったけど。

正直、辛いことのが多かったです。


やっぱり、定年後の楽しみに取っておくべきだったかな。

もし、遍路してみようと思っている方がいたら、是非やってみてください。
ツライですよー。
でも、大切な時間が過ごせるかもしれない。

会長いわく、1番に戻るのは、寺の金儲けの戦略だというので

明日は、1番に戻らず、金毘羅さんに行ってきます。
そんで、明後日、高野山行く予定です。

 


 7:00 栄荘旅館を出発

女将さん見送り際、


「こんな幸せな時間を過ごせてよかった。」
と言って出発する人がいる。


まだ歩いていたいと言って、次の寺のそばにまた泊まる人もいる。

と教えてくれた。

幸せな時間、そこまでは思えないな。
いつもまでも歩いていたい、それも思わない。
都会もいいよ。。。

 宿を出てすぐ、デジカメの充電池が挿入されていなかったことに気がつき、慌てて戻る。
志度に戻るので、荷物を少し置いてきたのだ。

また出直すと、ご夫婦の遍路さんと会う。
一緒に結願かと思いきや、昨日結願して、これから高速バスでなんば、その後高野山へ向かうらしい。

千葉から来た方で、4回目の遍路。
奥さんは73歳!!!と言ってたけど。とても見えない。
2回に分けて打ち、1回目は春、2回目は秋なのだそうだ。
遍路が大好きだという。歩けて幸せだと。
喧嘩しないのかと聞くと、しょっちゅうだそうだ。
しかし、それは日常でも同じだと(笑)

88番で結願したら、1番に戻ろうと思っていると云ったら、そんな必要は無い、

それは寺が勝手にそういってるだけだ。会長と同じことを言う。
ので、1番へのお礼参りは、やめることにした。

15分ほどの会話だけど、ほのぼのした気分になった。
電池を忘れて、ラッキー。
これが、遍路の面白いところ。
何かの偶然で、幸せな気持ちになれることがある。

 

 今日は、曇りの遍路日和。
 

 

 ハリウッドじゃなくて、
おれんじたうん?

 

オレンジタウン駅らしい。

JRとしては珍しいすべてカタカナの駅なのだそうだ。

 

 コスモス畑も、もう見納めかな。

 

遍路で、よくある交差点。

道しるべの矢印を探す

 

 あったあった。
この道は、まっすぐだ。

 

 

87番長尾寺まで、後2.3キロ

いつもの光景だ。

なんだか、ちょっとこみ上げてくる。
 

 

 87番 長尾寺山門

深々と礼をして、山門をくぐる

 

人もまばらな、静かな場所だ。

ひとりで、ゆったりとお経を詠むことができた。

なんだか満足

 

珍しく、納経所に灰皿がある。
暖かい缶コーヒーを買う。

いつものように、次の遍路地図で、次の目的地の場所と行きかたを確認する。
でも、もうその次を考える必要が無いから、何時までに到着しようという目標も無い。

もう急ぐ必要は無い。
どうせ、もうすぐ終わってしまう。

 

途中、いろんな人からもらった。
全部、ザックにくっつけた。

足摺の納経所でもらった遍路君人形は、
結構気に入っている。

 

 

山門に、ゆっくりと礼をして、87番を後にする。

なんてことないいつもの道しるべだけど、
あと、12.5キロ
と思うとなんだか愛おしい
 

 

 手がかじかんでいる。

この数日、だんだん寒くなってきた。
今日も、いつもの半そでTシャツと袖なし白衣だ。
他に服が無いからしょうがないのだ。

いくら寒くても、歩けば暖かくなるし、歩いていない時間なんてほとんど無いので、問題なしだ。
 

 

 おばあちゃんと一緒に小さな男の子がいた。

「こんにちわ」と云うと
おばあちゃんは、「こんにちわ」と返してくれる。

男の子には、手を振りながら「バイバイ」という。
今度は、男の子も、「バイバイ」を返してくれる。

小さい子は、「こんにちわ」言えないけど、

「バイバイ」はできるのだ。

それも、この遍路で知った。

 

遍路を楽しむなら、予定を立てずに進むのが一番だ。
これが結論。

そこに行ってみないと分からないことがたくさんある。
500mでも、何百段もある階段の場合もある。
寺がとてつもなく広い場合もある、じっくり観たい寺もある。

仮に予約がいっぱいで、希望の泊まれなくとも、事前の予約はしない。
早くても、昼以降に宿を取るべきだ。

事前に宿を決めると、リミッターをかけるようなものだ。
予定を決め、ノルマをこなすだけなら、サラリーマン時代にやっていたことと一緒になってしまう。
 

 

 野猿が前からやってくる!!!

地元のおじさんが、車から、
「サルがいるから、気をつけろよ!」
と云ってくれたが、どう気をつけるのか・・・。
ちょっと怖くなったが、進んでいくと、どこかへ行ってしまった。
遍路に来て、犬と猫と牛と人間とイルカ以外の哺乳類を見たのは、初めてだった。

 

 途中、お遍路の展示館がある。

宿の女将にも、必ずここには寄りなさいと云われた。
遍路の証書が貰えるらしい。
 

 

中には、遍路にまつわるいろいろなものが展示してある。

一番目を引いたのは、コレ。
四国の立体地図があって、88の寺が記されている。

高知の面積比べ、寺の少ないこと・・・。

 

 こんな感じだ。

 

 もらったのがこれだ。

「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」

ほっほぉー。
どうやら、ボクは、大使になったらしい。

歩き遍路しかもらえないそうだ。
ちょっと嬉しかった。

関東から来る人が圧倒的に多いみたい。
地元の人はこないのが観光ってもんだ。

 

 柿とか、お菓子とか茶菓子がいっぱい置いてあった。

さんざんぱら食ってしまった。

遍路は、四国4県で
発心の道場(徳島)
修行の道場(高知)
菩提の道場(愛媛)
涅槃の道場(香川)
と呼ばれている。
歩いてみると分かるが、まさにこのとおりなのだ。

 

 

 

もうすぐ終わりが来ると思うと。

終わりたくないと思ってしまう。

明日もあさってもあればいいのに。

 

区切りで、40キロ以上歩くツワモノ55歳が云っていた。
これだけ歩ける体を用意してくれた、両親に感謝したいと。

確かに、そう思う。
無事にここまでたどり着ける体は、親のおかげだ。

 

笑顔で挨拶してくれた地元の方
道を教えてくれた何十人の人
会話相手になってくれた農家の人や、工事中の人、測量の人、釣り人。
おにぎりせんべいや、龍角散のど飴(開封済み)、現金をお接待してくれた十数人の人
ボクを轢かないで避けてくれたドライバー
会話したり一緒に歩いたお遍路仲間

 

 

ランチタイムだ。
今日のランチは、宿のお接待。

ちょっと寒くて、
ベンチには、コケが生えてて
誰とも出会わない寂しい場所だけど
ゆったりとした
幸せなランチ。

 

ここから最後の山道だ。

女体山を越えて、大窪寺まで2.1キロ

 

ゆっくり歩こうと思っても、
このへんろ体は、ゆっくり歩くことを許さないのだ。 

 

 女体山頂上

 

 190センチ君からメールきてた。
88番到着したようだ。

「おめでとう!」を返信
彼が待っている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 女体山を越えると、結願ロードとなる

 この周辺にかかっている札は、みな結願札なのだ。

 はじめてみた結願札!

 もうすぐ結願

 

   88番 大窪寺

と、とーちゃーく!!!


しかし、歩きだと、裏山から降りてくるので、到着すると既に境内。。。
やむを得ず、一旦、山門の外に出て、もう一度入ることにした。

他の寺は、だいたい歩き道に繋がって山門があるのに。
実は、ちょっと不満

 88番 大窪寺

いつものろうそくをたて
いつもの線香をたて
いつもの札を納め
いつもの賽銭と、お接待の1700円
いつものお経を詠む
本堂と大師堂で各1回

納経所で、納経してもらう。
すべて、いつもと同じ。

だれか、マラソンみたいにゴールのテープを用意してくれればいいのに

 190センチ君が待っててくれた。

190センチ君は、「タイチ」といいます。

彼の遍路は、88番がゴールじゃないみたいで。
1番に戻るらしく、徳島に向けて歩いていった。

どこかで寝る場所を探すらしい。

タイチと握手して別れた。
「タイチー、気ぃをつけてなぁー!」

多分、志度の宿に荷物を置いてこなかったら、

タイチと一緒に、1番に向けて歩いていったと思う。

あぶないあぶない。

荷物を置いてきて良かったと、心底思った(笑)

予定も脈絡も無くただ前に進む、こいつが、うらやましいと思っている

 

タイチが行った後も、バスを待って茶屋にいた。
 

Sさんと会長に、携帯で結願を報告。

Sさんは、歩いて1番行くといってた。
現実に戻るのがイヤだから、できるだけ長く続けていたいらしい。

 

 バスに乗って、志度に戻る。

会長とSさんがどこにいるのかを聞いていたので
遍路地図を取り出した。

いま、何番だから、明日にはこのあたりだな。
そうすると、明後日は、このぐらいまで行けるな・・・。

もう自分には関係ないのに、地図ばっかり見る癖がついてる。
次の行き先を決めるのが楽しいのだ。

ボクには、もう行き先はなくなってしまった。