あれから、何年も経ちました。

 
「その後」を書こうとずっと思ってたけど、いまいちその気になれなくて、なんとなく。
久しぶりに、へんろみちのその後を書いてみます。
 
お遍路から帰った何日後かに、母親から連絡があって(下田の実家なんですけどね)
父の具合が悪いようだと、検査したら、まあいわゆる急性白血病で。
発症したら3か月ぐらいらしいんです。
そのとおり、2月に死んじゃいました。
 
お遍路行く前に、親戚のとても良くしてくれた叔父さんがちょっと重い病気で。
88箇所は、ずっとそのおじさんのお祈りをしてまして
納経帳も、そのおじさんにあげたんですよね。
まさか、父のほうが死んじゃうとは思ってもみなかった。
くら~い話ですみません。だから、嫌だったんですねー、書くの。
 
お遍路から帰って、周りの人によく聞かれました。
 
人生観が変わった?
とか
 
悟りを開いた?
とか
 
変わったことが、ひとつだけあるとすれば。
『流れ』に抵抗しないようにしていること。
ですね。
 
ボクは、母の血を受け継いだからか、いわゆる天邪鬼な人間でして。
人に「こっち」と言われると、逆を選択したり
自分の意思とは違う流れにいると感じてしまうと
無理やり、その流れを止めてしまうようなややこしい性格なのですが
意識して、天邪鬼にならないよう、流れに身を任せるようにしています。
 
思うに、 人の方向は意思とは関係のないところで、だいたい決まっていて
どっちを選ぼうとも、同じところに行きつくんじゃないかと。
だから、必要以上に意思を反映させて、遠回りするより、そのままに
させておくほうが、近道なのだと思うようになりました。
いえ、そんな気がしているだけですけど・・・。
 
 
東京に帰ったら、連絡してみようと思いましたが
いったい何語で話せばいいのか分からず、それきりです。
フェイスブックで、写真を見るぐらいでしょうか。
 
中野の坊主バーで働いてると云ってましたけど
結局、行けてないですね。
 
メールで何度かやり取りしました。
就職の相談を少し受けたかな。
 
連絡先は知ってるんだけど
もし、行くことがあれば、と思ってるけど
あれきりです。
 
連絡先を聞かなかったから。。。
 
この人だけは、その後何度か会ってました。
高知の人ですけど、年に何度か東京へ出てくることがあって、たまに連絡をもらっては
酔っぱらいの与太話を聞いてました(笑)
 
ワーホリでオーストラリアに行くと行ったきり
日本に帰ったら、連絡するように言ったんですけど
それきりです。
 

行ってきました高野山。

なるほど神聖な雰囲気でしたよ。
関東における日光みたいな感じかなあ。

南海難波駅で、まきおさんと合流。特急こうやに乗ってごくらくばしへ。
たびさくさんの提案にのって、手前で降りて、せめて2時間ぐらい歩きたかったんだけど、特急だと途中下車して乗り換えなきゃいけないことが分かって、やめちゃいました。
でも、ちゃんと本来の門から入るように、女人堂から歩いて大門に向かいました。っていっても、ほんの30分ぐらいだけど・・・。

今日も、滞在先は大坂。
梅田のとなりの福島にある阪神ホテル。
またもや、温泉ホテル。でも、大浴場は有料。

一応、これで、ボクの遍路は完結しました。
東京に帰って、録画した篤姫でも観ながら、36日間の遍路を噛み締めようと思います。


7:00 南海難波駅

ここで、彼女と1カ月ぶりに再開
一緒に、高野山へ。

特急こうや

スルットKANSAI2DAYS

特急券は、別で760円

1時間20分で、ごくらくばし到着。

ここから、ケーブルカーに乗り込んで
高野山駅へ

スルットKANSAI
関西圏の私鉄会社なら、このケーブルも、高野山でのバスも、みんな使えるのでめちゃくちゃ便利。

高野山駅からは、バスに乗り換え
めんどくさいから、奥の院入り口まで行っちゃおうかと思ったけど。
たびさくさんの大門から入れない
のアドバイスがあったので、女人堂から歩くことに。

女人堂

明治5年までは、高野山は女人禁制。
なので、参道ではない女人道を通って、お参りしたそうです。

10:00
その女人道を通って、弁天岳~大門へ

女人道

なかなかいい道。

天気も抜群の晴天。

歩いてても気持ちよくて、絶好のウォーキング日和。

10:20
弁天岳山頂に到着

弁天岳からは、ほとんど下り

連続鳥居がある場所を抜けると、大門です。

大門でかいす。

とてつもないでかさ

山内の道は、大渋滞。
少ない駐車場に向かって、いろんな方向から車が集まってくるので、駐車場待ち渋滞。

金堂

ぜんぜん金じゃないのに金堂

根本大塔

高野山のシンボル的な建物らしいです。

これもでかい。
 

金剛峯寺

高野山真言宗の総本山。

思ってたよりも地味だった。

お遍路装束のひとたちも、結構いました。

遍路中には、必ず挨拶してましたけど、ここはもう四国じゃない。、

みな、ただの観光客。もちろんボクも。

奥の院への入り口

ここからが結構長い。

この奥の院への参道には、有名どころの墓があります。

織田信長や秀吉などの戦国武将や、江戸時代の有名人など。

奥の院途中からは、撮影禁止。

奥の院で、いつものように声を出して、お経をよむ。

周りの人たちから、痛い視線を浴びせられる。

しかし、負けじと読む。


御供所で納経をする。

納経帳に高野山のサインが追加された。

 

いま、大坂難波の御堂筋ホテルにいます。
この書き出しが癖になっちゃってまして・・・。

今日は、金毘羅さんに遍路のお礼参りに行きました。
1番寺に行くところを、急遽変更して、金毘羅さん。
昨日は、1番寺は、寺の謀略だ、みたいな書き方をしちゃいましたけど、ネットで調べてみると、そうでもなさそうです。
1番に戻らない人も多いようですが、決して邪道ではないみたい。
10番の切幡寺から1番へ打ち戻ると、遍路の巻き戻しをしながら、新米の遍路さんと行き違うので、趣向があっていい。
みたいなことを書いてる人がいました。
なるほど。
やっぱ、ちょっと失敗したかも・・・。

ま、でも、金毘羅さんには行ってみたかったので、オッケー。
もう純粋にお礼参り、願ったのは、
無事結願できて、ありがとうございました。
だけ。
ふっとぱらです、ぼく。

ちなみに、表紙画像は、金毘羅の金丸座の前で出会ったお遍路さん
この方、結構縁があるんです。
57番栄福寺で最初に出会って
58番仙遊寺の宿坊で一緒になって
61番香園寺の宿坊でも一緒になったんです。
横峰寺から真っ暗な山道を泣きながら降りてきて、8時半に到着した香園寺宿坊、いまでもよく覚えてます。

遍路途中、善通寺から、琴平にやってきたそうです。
歌舞伎が好きだそうで。
で、これも縁だと思い500円も出して金丸座を観覧してきました。
おじさんのがっつりガイド付きなので、結構楽しめます。
正解でした。

それにしても、金毘羅さんの石段。
1200キロも歩いてきたボクには物足りないんじゃないかと思ったけど、全然、キツイっす。
一緒に旅したアイテムも一緒にお参りしたかったので、わざわざザックまで背負って。。。
やっぱり、その辺の土産物屋さんに、置いてくるべきだったとひたすら後悔。

んでもって、その後、琴平駅から南風なんとかっていう特急に乗って、岡山、新大阪、でいま難波にいる次第です。

ホテルそばの串揚げや、めちゃくちゃウマかった。

 

 

 


琴電に乗って、片原町から琴平駅へ。

眠かったあ。
てか、寝ちゃってた。

途中で思った。
疲れてます。体。
足も、まだ変だし。

どこかでゆっくりしてれば良かったかも。
でも、まー金毘羅さん観ないと。

琴平駅到着

観光マップをもらって、金毘羅さんへ、GO

金倉川に、橋がいくつも架かっていて、ちょっとお洒落なんだけど、
この河がきたねーの。
藻がいっぱい浮いてるし、ヘドロみたいなのもあって。
観光地なんだから、河キレイにしないと。

タバコ屋さんで、タバコを買って情報を仕入れる。

ウマいうどん屋を聞きたかったのだ。

参道にある「トラや」が有名らしい。
しかし、高い。
裏道に、このおばさんもたまに行くと云っていた「狸」といううどん屋があるらしい。

これだ!

芝居小屋へ向かう途中

このおねーさんと遭遇したわけです。
結構、びっくりした。

お遍路さんの写真いっぱい撮ったけど。。。
外国人以外の女性単独の写真は、ほとんどないんです。
つまり、女性との縁は、ほぼゼロ。
縁があったのは、この方だけです。

他の人は、一度は一緒に歩いたりしたらしい。うらやましぃー。
 

これが「金丸座」という旧金毘羅大芝居

階段を登っていくと、すぐ料金所・・・。 金払わないと、駄目だ感がまん延してるのだ。

でもって、このおじさんが慣れた口上で、
テンポよくガイドしてくれます。

こんな感じ。

花道

舞台下手より直角に客席を貫いている。

分かりづらいけど、一応だんだんになっている。
前の席から、後ろに行くにつれ、少しずつせり上がってます。

ガイドのおじさん、ほんとノリノリで、楽しかった。

空井戸

舞台と花道の付け根にあって、舞台下の奈落と通じてます。
んで、ここから出入りしたり、早替わりしたりする。

へーへーへー。

廻り舞台

舞台中央にある直径7.3mの円形。
回転します。

奈落から見た周り舞台

人力で回転。

ブドウ棚

竹を編んだ格子状の天井です。
花吹雪が客席にも散るわけです。

かけすじ

役者が宙乗りする装置

2階席から撮影

客席の値段を聞いてみると。

A席が85%
B席が15%だそうで

ここから見えるのは、2階席を含め、すべてA席
B席は、1階席と2階席の後ろだそうで。
「つんぼ桟敷(つんぼさじき)」と呼ばれる。
差別用語みたいになってますが、芝居小屋が発祥だそうです。

帰り際。このおじさんに

この間、内子座に行ったんですよねー。と云ったら。

「芝居小屋は、全国にいくつかあるが、重要文化財となっているのは、5つしかない。四国ではここだけ。」
内子のは、ウチとは格が違うと一蹴。

そんなの聞いたら、内子のあの宿の女将は、怒るだろうなー。

芝居小屋リスト
http://www003.upp.so-net.ne.jp/jyoururi/index.html

金丸座には、結局、45分も滞在してしまった。

本命の金毘羅さんへ。

それにしても、この石段の多さには、辟易。

登っても登っても、また石段。

とりあえず、大門

そして、また石が、えんえん続くのである。

旭社

歴史を感じさせる古さ。

過ぎると、また石段。

最上部へ到達するまでに、へろへろ。

お遍路で、鍛えたはずの足腰でも、金毘羅さんの石段には通じない。

目的地の御本宮にやっと到着。

賽銭は、遍路と同額の5円のつもりだったが、
あいにく持ち合わせなかったので、やむを得ず50円を奉納

れいれい
ぱんぱん
れい
「無事、結願できました、ありがとうございました。」

せっかくだから、なにか買っていこうかとおもったけど。

お守り800円。

なめんなぁー。
そんな高いお守り、買えるかぁー。

即決、却下。

幸せは、自分の手で、
いや足で、掴むもんじゃぁー・・・。

結局、うまい客引きのおばちゃんにのせられ

ランチは、とらや

しょうゆうどんを注文

タバコ屋のおばちゃんの言うとおり、
ちょっと高い。

しょうゆうどんの食べ方。

説明書きにするほどの内容ではない。

要は、しょうゆをかけて食べるのだ。

たいしたことない。
やはり、「狸」にすべきだったか。大きく後悔。

あの71番そばの「かつえ」が懐かしい。

 

 

 

 

今日中に新大阪へ向かわねばならん。

フェリーとバスのどちらか迷ってたけど、電車にした。

ちょっと値がはるけど、瀬戸大橋通るし、本数が多い。

瀬戸大橋だ。
わーい、わーい。
子供みたいに、席を移動して、右へ左に、撮影。

 

しかし、どうあがいても、欄干が、邪魔なのだ。
瀬戸大橋は、人間が歩けない橋
9キロなら、2時間で歩けるのに。

岡山から、新幹線で新大阪へ。

僕の席は、ドア開閉するここ

おおさかじゃー

新大阪から、御堂筋線で、心斎橋へ。
心斎橋から、道頓堀を歩いて、難波へ。
 

心斎橋のGAPに行った。
遍路モードのボクは、半そでTシャツしか着るものがない。

11月に、半そでTシャツで高野山に行くのは、無理がある。

今日の宿、御堂筋ホテル

温泉があるからだ。
昨日の高松のホテルも、温泉があったからセレクト。

ボクの選択は、温泉>大浴場>なんでもいい。
となる。

ホテルそばの串揚げ屋へ

ウマい。全般的にかなりウマい。
中でも、卵は、ヤバイ。

ホテルの人に聞いていった。
結構有名らしい。
店の外観撮るの忘れた。。。

ひとりで、4000円も食ってしまった。

暴食。

もう歩かないんだから、気をつけないと。

でも、ウマいからオッケー。

最終日す。

本日、無事、結願しました。

遍路をしながら、このライブでブログを更新するという

自身の宿題を達成したことに、乾杯!
自分で自分を褒めてあげようと思います。

1カ月間も、お遍路を続けていると、この生活が日常になっていることが分かります。
明日の目的地がないことが、まだ実感できていません。

88番の大窪寺に到着してからも、まだ、今日だけでも20キロぐらいは歩けそうだと。
この調子なら、明日は45キロは行けるかと(笑)

もう、そんな必要ないみたいです。

何十年後かに、2回目の遍路に来ることがあるかもしれないけど、最初の遍路は2度とできないんですよね。
右も左も分からずに、
マメができて嫌になり、足が痛くて帰りたくなり、でも、少しずつ歩くことに慣れ、自信が出てきて
やっぱり、歩いていると嫌になり、その繰り返し。
起きることのすべてが新鮮で、人との縁を考えさせられる。
遍路の歩き方は、ひとそれぞれだと思うけど、ボクのは、そんな感じです。
 

毎日が幸せで、ずっと続けていきたいとまでは、思わない
都会が恋しい(笑)
 

面白いことも多かったけど。

正直、辛いことのが多かったです。


やっぱり、定年後の楽しみに取っておくべきだったかな。

もし、遍路してみようと思っている方がいたら、是非やってみてください。
ツライですよー。
でも、大切な時間が過ごせるかもしれない。

会長いわく、1番に戻るのは、寺の金儲けの戦略だというので

明日は、1番に戻らず、金毘羅さんに行ってきます。
そんで、明後日、高野山行く予定です。

 


 7:00 栄荘旅館を出発

女将さん見送り際、


「こんな幸せな時間を過ごせてよかった。」
と言って出発する人がいる。


まだ歩いていたいと言って、次の寺のそばにまた泊まる人もいる。

と教えてくれた。

幸せな時間、そこまでは思えないな。
いつもまでも歩いていたい、それも思わない。
都会もいいよ。。。

 宿を出てすぐ、デジカメの充電池が挿入されていなかったことに気がつき、慌てて戻る。
志度に戻るので、荷物を少し置いてきたのだ。

また出直すと、ご夫婦の遍路さんと会う。
一緒に結願かと思いきや、昨日結願して、これから高速バスでなんば、その後高野山へ向かうらしい。

千葉から来た方で、4回目の遍路。
奥さんは73歳!!!と言ってたけど。とても見えない。
2回に分けて打ち、1回目は春、2回目は秋なのだそうだ。
遍路が大好きだという。歩けて幸せだと。
喧嘩しないのかと聞くと、しょっちゅうだそうだ。
しかし、それは日常でも同じだと(笑)

88番で結願したら、1番に戻ろうと思っていると云ったら、そんな必要は無い、

それは寺が勝手にそういってるだけだ。会長と同じことを言う。
ので、1番へのお礼参りは、やめることにした。

15分ほどの会話だけど、ほのぼのした気分になった。
電池を忘れて、ラッキー。
これが、遍路の面白いところ。
何かの偶然で、幸せな気持ちになれることがある。

 

 今日は、曇りの遍路日和。
 

 

 ハリウッドじゃなくて、
おれんじたうん?

 

オレンジタウン駅らしい。

JRとしては珍しいすべてカタカナの駅なのだそうだ。

 

 コスモス畑も、もう見納めかな。

 

遍路で、よくある交差点。

道しるべの矢印を探す

 

 あったあった。
この道は、まっすぐだ。

 

 

87番長尾寺まで、後2.3キロ

いつもの光景だ。

なんだか、ちょっとこみ上げてくる。
 

 

 87番 長尾寺山門

深々と礼をして、山門をくぐる

 

人もまばらな、静かな場所だ。

ひとりで、ゆったりとお経を詠むことができた。

なんだか満足

 

珍しく、納経所に灰皿がある。
暖かい缶コーヒーを買う。

いつものように、次の遍路地図で、次の目的地の場所と行きかたを確認する。
でも、もうその次を考える必要が無いから、何時までに到着しようという目標も無い。

もう急ぐ必要は無い。
どうせ、もうすぐ終わってしまう。

 

途中、いろんな人からもらった。
全部、ザックにくっつけた。

足摺の納経所でもらった遍路君人形は、
結構気に入っている。

 

 

山門に、ゆっくりと礼をして、87番を後にする。

なんてことないいつもの道しるべだけど、
あと、12.5キロ
と思うとなんだか愛おしい
 

 

 手がかじかんでいる。

この数日、だんだん寒くなってきた。
今日も、いつもの半そでTシャツと袖なし白衣だ。
他に服が無いからしょうがないのだ。

いくら寒くても、歩けば暖かくなるし、歩いていない時間なんてほとんど無いので、問題なしだ。
 

 

 おばあちゃんと一緒に小さな男の子がいた。

「こんにちわ」と云うと
おばあちゃんは、「こんにちわ」と返してくれる。

男の子には、手を振りながら「バイバイ」という。
今度は、男の子も、「バイバイ」を返してくれる。

小さい子は、「こんにちわ」言えないけど、

「バイバイ」はできるのだ。

それも、この遍路で知った。

 

遍路を楽しむなら、予定を立てずに進むのが一番だ。
これが結論。

そこに行ってみないと分からないことがたくさんある。
500mでも、何百段もある階段の場合もある。
寺がとてつもなく広い場合もある、じっくり観たい寺もある。

仮に予約がいっぱいで、希望の泊まれなくとも、事前の予約はしない。
早くても、昼以降に宿を取るべきだ。

事前に宿を決めると、リミッターをかけるようなものだ。
予定を決め、ノルマをこなすだけなら、サラリーマン時代にやっていたことと一緒になってしまう。
 

 

 野猿が前からやってくる!!!

地元のおじさんが、車から、
「サルがいるから、気をつけろよ!」
と云ってくれたが、どう気をつけるのか・・・。
ちょっと怖くなったが、進んでいくと、どこかへ行ってしまった。
遍路に来て、犬と猫と牛と人間とイルカ以外の哺乳類を見たのは、初めてだった。

 

 途中、お遍路の展示館がある。

宿の女将にも、必ずここには寄りなさいと云われた。
遍路の証書が貰えるらしい。
 

 

中には、遍路にまつわるいろいろなものが展示してある。

一番目を引いたのは、コレ。
四国の立体地図があって、88の寺が記されている。

高知の面積比べ、寺の少ないこと・・・。

 

 こんな感じだ。

 

 もらったのがこれだ。

「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」

ほっほぉー。
どうやら、ボクは、大使になったらしい。

歩き遍路しかもらえないそうだ。
ちょっと嬉しかった。

関東から来る人が圧倒的に多いみたい。
地元の人はこないのが観光ってもんだ。

 

 柿とか、お菓子とか茶菓子がいっぱい置いてあった。

さんざんぱら食ってしまった。

遍路は、四国4県で
発心の道場(徳島)
修行の道場(高知)
菩提の道場(愛媛)
涅槃の道場(香川)
と呼ばれている。
歩いてみると分かるが、まさにこのとおりなのだ。

 

 

 

もうすぐ終わりが来ると思うと。

終わりたくないと思ってしまう。

明日もあさってもあればいいのに。

 

区切りで、40キロ以上歩くツワモノ55歳が云っていた。
これだけ歩ける体を用意してくれた、両親に感謝したいと。

確かに、そう思う。
無事にここまでたどり着ける体は、親のおかげだ。

 

笑顔で挨拶してくれた地元の方
道を教えてくれた何十人の人
会話相手になってくれた農家の人や、工事中の人、測量の人、釣り人。
おにぎりせんべいや、龍角散のど飴(開封済み)、現金をお接待してくれた十数人の人
ボクを轢かないで避けてくれたドライバー
会話したり一緒に歩いたお遍路仲間

 

 

ランチタイムだ。
今日のランチは、宿のお接待。

ちょっと寒くて、
ベンチには、コケが生えてて
誰とも出会わない寂しい場所だけど
ゆったりとした
幸せなランチ。

 

ここから最後の山道だ。

女体山を越えて、大窪寺まで2.1キロ

 

ゆっくり歩こうと思っても、
このへんろ体は、ゆっくり歩くことを許さないのだ。 

 

 女体山頂上

 

 190センチ君からメールきてた。
88番到着したようだ。

「おめでとう!」を返信
彼が待っている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 女体山を越えると、結願ロードとなる

 この周辺にかかっている札は、みな結願札なのだ。

 はじめてみた結願札!

 もうすぐ結願

 

   88番 大窪寺

と、とーちゃーく!!!


しかし、歩きだと、裏山から降りてくるので、到着すると既に境内。。。
やむを得ず、一旦、山門の外に出て、もう一度入ることにした。

他の寺は、だいたい歩き道に繋がって山門があるのに。
実は、ちょっと不満

 88番 大窪寺

いつものろうそくをたて
いつもの線香をたて
いつもの札を納め
いつもの賽銭と、お接待の1700円
いつものお経を詠む
本堂と大師堂で各1回

納経所で、納経してもらう。
すべて、いつもと同じ。

だれか、マラソンみたいにゴールのテープを用意してくれればいいのに

 190センチ君が待っててくれた。

190センチ君は、「タイチ」といいます。

彼の遍路は、88番がゴールじゃないみたいで。
1番に戻るらしく、徳島に向けて歩いていった。

どこかで寝る場所を探すらしい。

タイチと握手して別れた。
「タイチー、気ぃをつけてなぁー!」

多分、志度の宿に荷物を置いてこなかったら、

タイチと一緒に、1番に向けて歩いていったと思う。

あぶないあぶない。

荷物を置いてきて良かったと、心底思った(笑)

予定も脈絡も無くただ前に進む、こいつが、うらやましいと思っている

 

タイチが行った後も、バスを待って茶屋にいた。
 

Sさんと会長に、携帯で結願を報告。

Sさんは、歩いて1番行くといってた。
現実に戻るのがイヤだから、できるだけ長く続けていたいらしい。

 

 バスに乗って、志度に戻る。

会長とSさんがどこにいるのかを聞いていたので
遍路地図を取り出した。

いま、何番だから、明日にはこのあたりだな。
そうすると、明後日は、このぐらいまで行けるな・・・。

もう自分には関係ないのに、地図ばっかり見る癖がついてる。
次の行き先を決めるのが楽しいのだ。

ボクには、もう行き先はなくなってしまった。

いま、香川県さぬき市志度の栄荘旅館にいます。

今日の遍路は、最悪。
ずっと、いらいらしてた。27キロしか歩いてないのに。
足が痛くて、いつものように歩けない。
感傷に浸りながら歩けるのかと思ったら、全然。

いつもは、明日の明日の予定まで考えるけど、今日はもう何も考える必要が無い。
どこに泊まって、どうやって高野山に行こうかを考えるぐらいで、面白くない。
なんだか、つまらなくなった。

明日で終わりなのに。
いや、明日で終わりだからかな。
でも、もうこれ以上歩きたくない。
88番が終わったら、バスに乗って、志度駅に戻って、電車に乗って都会のビジネスか、温泉宿でも探そう。

家に帰ったら、プリズン・ブレイク シーズン3と

ヒーローズ シーズン2を観よう。

ヤバイ、このままだと、シーズン中の監督の一言みたいに、88個のひとつですから、で終わっちゃう。最終戦が優勝決定戦じゃないと困るのに。

前日だから、思い出話でも綴ろうかと思ってたけど、全然そんな気分じゃない。
もう寝る。
明日になれば、分かる。
 

明日で終わり。


83番 一宮寺山門

朝から温泉を満喫して、ゆっくり8時に出発
今日の行程は短い。

が、歩くと足が痛い。
足裏から足首にかけて、痛みが走る。

今日から、また1人だ

と、思ったら、またいた190センチ君(笑)

88番で会おうって、かっこよく別れたのに。。。
いつもと同じ朝を迎える。

基本は、別々で歩いたけど、スタートが一緒だから、
だいたい周辺にいた。

 

 83番 一宮寺大師堂の中

やっぱり、香川は少し違う。

なにやら、香川は弘法大師さまと縁の深いお寺が多いそうだ。

 

 次の寺まで、13キロで、ちょっと遠い。

暖まったのに足が痛いのが止まらない。
本物か。。。ヤバイ。


ビッコ気味に歩く。
今日の時速は、3.5キロ

 

 高松市街を見てみたいから、遍路道をはずれ、街中へ向かってみた。

 

 都会だ。
でも、本当に栄えてるのは、もうちょっと海側らしい
工事中の交通整理の人に聞いた。

足もつらいし、元の道に戻る

 

痛みが止まらん。
おかげで、一歩一歩かみ締めながら歩けてる。
そんなの意味ない。

休憩を取ろうと思ったけど、街中なので座るところがない。
びっこを引きながら、なんとなく、そのまま歩き続けてしまう。

スピードが遅いから、目的地に着けるか不安になってくるからだ。

結局、ランチまで、3時間近く休憩しなかった。
からだが、遍路仕様になっている。

止まったら、進まない。

 

 歩いていて、辛くなると、テレポーテーションしたくなる。

別に次の寺までなんて、贅沢は言わない。
次の交差点まででよいのだ。
狙いをさだめて、目を閉じてみる。

これまで、何度も試してみたが、成功したことは一度もない。

そして、こんな自分が、いとおしい。

 

遍路は、基本的に誰も見てない。

何十キロ歩こうが、峠道を登ろうが、休憩なしで歩き続けようが、1日14時間も歩こうが。

ここ数日、45キロぐらい平均で歩いてきた。
でも、そんなの誰もしらない。
だから、褒めてもらうことも無い。

ボクは、ブログでアピールしちゃってるけど、それは一般的じゃないからね。

だから、歩きの人は、みんなすごいと思う。

 

遍路地図に、3キロ先のマックを発見。
少しルート変えれば、マックだ。

ひさびさのマック
ハンバーガー2個とポテト、コーラーをL変更しよう。

そこまで頑張る。
目的が決まって、がぜん、元気になった。

 

 30分ぐらい歩くと、遠くから、この看板が見えた。

吉野家だ!

お腹は、さっきまでのマックモードから、一気に吉野屋モードに切り替わる。

 

 ひさびさに特盛りを注文しちゃった。

特盛りは、5年ぶりぐらいだ。
腹の贅肉が気になり始めてから、吉野家は並と決めていた。

しかし、いまはお腹もすっきり。
それに、特盛りだろうがなんだろうか、カロリーはすぐに消費される。
ジュースを飲もうが、甘いものを食べようが、ご飯を3杯食べようが、全然問題なし。

すべて消費されるのだ。

 

吉野家を出ると、向かえのガソリンスタンド。

衝撃の価格
これまでで、一番安い。

帰ったら、レガオ君を洗車してあげようと思う。

 

ここで、お接待をいただいた
200円

実は、昨日もいただいた
500円

徳島の1000円を入れて

都合3回、合計1,700円也

ちゃんと別のところにとってあって。
88番のお賽銭にしようと思っている。
ホントは、使うべきかも知れないけど、やっぱりお金は、どうしても使えない。

 

 84番 屋島寺山門

 

源平合戦
湾に「檀の浦」と書いてある。

え?
壇ノ浦は、山口県だったような。
でもでも・・・。

調べてみた。
源平の屋島の戦いという壇ノ浦の延長戦の合戦があったところだ。

で「壇ノ浦」は、山口県
ここの「檀の浦」とは別物である。
「壇」が、ここではキヘン。

でも、「那須与一の扇の的」「義経の弓流し」
は。ここの話しなのだそうだ。

もっと、四国観光を勉強してから来るべきだったと
つくづく後悔。

 

 屋島の町と、檀の浦

 

84番を下るときの坂は、めちゃくちゃ急峻

距離は短いけど、これまでの遍路中最大角度と思われる。
雨の日は、少し遠回りでも、別の道を選択すべし。

 

85番の八栗寺へは、ケーブルカーがある。

もちろん、使ってないけど、登り道が急ってことだよね。

 

 ケーブルの横の道を抜けていくと、突然「よもぎ餅」が目に入る。

0.3秒ぐらい思案し、入店。
即決だ。

 

 遍路だから、サービスで2倍にしたから。
と、云われたが何が2倍か分からなかった。
餅も、あんこも不揃いだったで、都度都度、丸めてるみたいだったから。
あんこが2倍なんだと思われる。多かったもん。

1個100円
手作り感抜群で、めちゃくちゃうまいです。
いま思い出しても、ホントうまかった。
 

 

  85番 八栗寺山門

ここを登ってくるとき、女の子二人組みと遭遇。

ケーブルカー使わないなんて、えらい!

って声を掛けたら、

おにーさんのふくらはぎは、ししゃもみたいだと言われた。

その後も、境内で少し会話。

久しぶりに女子と会話したことが嬉しかった。

 

85番 八栗寺

大師堂が、ちょっと外れたとこにあって
やっぱり少し変わってる寺。

84番も、85番も、ピンでもいけるぐらいのいい寺。

寺だけでも、調べてくるんだったと
また後悔

 

 下ると、国道11号線に
道の駅「源平の里むれ」があった。

アイスクリームを求め、入ってみると
やっぱりあった。

すごい気になるネーミング

ミックス、注文

 

機械が壊れたため バニラが無いミックス・・・。
おばちゃんが、値引きするからと言ってくれたけど、それなら、少しでもいいから、バニラをのせて
と云ったら、ほんの少しバニラがのった(笑)

カップの下に、よくスーパーとかで売ってるクリームあんみつと同じあんこと餅が入ってるだけ。

あんことチョコアイスは合わないことが判明した。

 

久しぶりに、海のそばを歩いてるので、
海岸近くまで行ってみた。

瀬戸内海は、波がほとんどない。
湖みたいです

 

志度の町に入る。

もう4時。
もっと早く着いて、宿でゆっくりするつもりだったけど。
いまの歩速ではやむをえない。

 

平賀源内

なんと、僕の尊敬する平賀源内先生は、ここ志度の出身だったのです。
驚いた。

なので、この辺には、それにまつわるものがいろいろあるみたい。

 

 

志度の町、雰囲気いいです。
こじんまりしてるし、落ち着ける感じ
志度寺も、結構いいし。

 

 86番 志度寺

 

 86番 志度寺山門

五重塔も絵になってる。
山門も16??年って書いてあったぐらい古い。

 

お遍路最後の宿 栄荘旅館

建物:普通
部屋:普通
風呂:大きめ
浴衣あり、タオルあり
洗濯:洗濯機あり(無料)、乾燥機あり(有料)
食事(夕):いろいろご馳走が並ぶ。これといって。
食事(朝):
対応:
料金: