12日目:27番神峯寺~35km地点(高知黒潮ホテル)

このおじさんは、9日目から何度も登場したSさん。
昨日の同宿で、今日歩いてる途中から一緒になり、結局Sさんが泊まる宿まで
10kmぐらい一緒に歩いた。
こんなに一緒に歩いたのは、あの弘法大師さま以来。
市役所勤め、定年後、お遍路を決意。
本人が曰く、趣味はない。
タバコも、パチンコも、マージャンもしない。
仕事が趣味系の人と思われる。
お遍路出発前に、口コミで宿情報をこまめに調べたり、詳細なスケジュールを立てたりしている。予定通りじゃない場合も考慮し、いくつかのパターンを用意してる。
明るくて、ざっくばらんな話し方をする雰囲気なんだけど、かなりの慎重派。
Sさんは、ほぼボクと同じペースで歩けるけど、昨日脱落してしまった人を待ってあげるために、予定外の宿に泊まることにしたと思われる。
そうは、言ってなかったけど。
恩着せがましくなく人に優しい、いいオジサンだ。

いま、高知県香南市の高知黒潮ホテル
ビジネスホテルだけど、日帰り風呂が隣接している。
お遍路パックってのがあって、入浴券つき2食付で、7,980円とお得
人それぞれ、好みがあると思うけど、こうゆうホテルだと安心して泊まれる。
民宿は、あたりはずれの幅が大きすぎて・・・。
民宿の風呂も、次の人が待ってると思うとゆっくり入れない。
ただ、ひとつだけ問題があった。
なんとコインランドリー、洗濯+乾燥で1,000円
ありえない!
おかげで、部屋のユニットバスでボディソープで手洗いしちゃった。
乾くといいけど・・・。明日の朝まで乾いてなかったら、ドライヤーの出番だ。
でもまー、今日の宿は、大正解
その上、無線LAN。画像を縮小しなくていいので楽だし、快適。

今日の道のりは、約30キロ。
昨日に引き続き、足首は痛いけど、比較的快調。
途中の10キロは、Sさんと話しながら歩いたので、疲れもあまりない。
やっぱり、人と一緒に歩くと、後何キロとかあまり考えずに歩けるので結構いいかも。


今日の宿には、ボク以外に7人泊まってて、一番最後に出発。抜き去るタイミングで、話ができるなと。
たぶん、全員抜ける予定

晴れの予定なのに、宿を出ると雨。

早くも一人目発見と思ったら、

ただのおばあちゃんだった。


やけに遅いなーとは思ったんだけど、

遠めに見ると、

上下白だし、

杖突いてるし・・・。

途中から、55号線をはずれ、堤防沿いを歩く。
ずっと、ずっと堤防

とんびが低空をうろうろしてたので、
待って待って、激写!

ながーいながーい堤防

まっすぐ行くと、安芸市市街

安芸といえば、広島カープのキャンプ地だ。
そうなんだ、高知県だったんだ。
と始めて知った。

橋になにか書いてあったので、よく見てみると

チィチィパッパ
チィチィパッパ

すずめの学校の歌詞だ。

この辺出身の人が、作詞したとか???

2時間半歩いても、結局誰にも出会わず。
いろいろな人と話せると思っていたので、寂しい気持ちになる。
やっぱり、オレの使命は孤独。

泣きながら、お接待でもらったおにぎりせんべいを食べる。
ウマい。
久しぶりに食べるとウマい

涙でせんべいのしょっぱさが増している。
一気に完食
おにぎりせんべいをくれたおばちゃん、ありがとう。

すると、休憩してたベンチの先の曲がり角を、一番最初に宿を出たSさんが、通り過ぎるではないか。
 

 

早速、追いかける。
45分前に出発したSさんを、知らぬ間に抜いていたことになる。
お遍路コースは、一通りではないので、結構ばらばらの道を歩くことも多いのだ。
後から聞いた話では、他の人とその辺を寄り道していたらしい。

なかなか追いつかない。

すると、測量セットの男性2名を発見。
1名は電話中だが、もう1人がぼんやりしていたので、話しかけてみる。
「どこを測量してるんですかー?」

このピンを基準に海抜を測っているらしい。
地形ではないみたいだ。

丁寧にいろいろ教えてくれた測量士さん。

しかし、海抜を測っているということ以外は、理解できなかったす。
すんません。

お礼を言って、別れる。

しまった。Sさんが見えない。

 諦めて、海を撮影。
さみしいです。

 

  しばらく行くと、休憩していたSさんと合流。
よかったぁ~。

で、表紙の会話を延々続けて、10キロを同行。
結局宿まで、一番最後に出たのに、一番最初に出た人としか出会わなかった。

それも、たまたまあそこでおにぎりせんべいを食べていたからで、

長めの休憩をしていなければ、誰にも出会わなかったことになる。
不思議。

高台からの海岸線。

今日は、天気がいまいちで、あまりいい写真が撮れない。

第3セクターで作った鉄道
こんなもの作って、大赤字らしいと、Sさん談。
さすが、役場の人

延々、モノレールみたいなレールをひいて、相当お金がかかってそうだけど、

1~2時間に1車両だけ、走る鉄道に

こんな金かけて元が取れるわけないよね。


お遍路小屋

Sさんが、小屋にいる皆さんに、
「あーどうも。」
と言いながら入室。

みなさん、人形・・・。

結構笑ったけど、気持ち悪い。
この小屋は、おばちゃんが自分の家の区画内で小屋を立て、1人で管理してる。
完全なボランティア。

お茶と、インスタントだけどコーヒーまである
えらい!
でも、不気味です。

 

この辺の道のりは、自転車用道路らしい。
延々続いてて、車も来ないし、

まっすぐで無駄がないし、

二人で並んで歩けるから、すごくよかった。

ホントは、Sさんの宿のそばにある遍路地図に載っていたうどんやで、

一緒にランチする予定だったけど、行ってみたら、

更地・・・。
遍路本、助かるけどお店の情報が古すぎる。

Sさんと別れたあと、ラーメン屋を発見!

街道沿いだけど、周りに何にもないとこなので、立地条件がいいとはいえないが、店内には、結構人がいて、期待して入った。

しょうゆラーメン+チャーハンセットで、750円
チャーハンも一人前。

結構ウマくて、幸せ。


 

アベックの歩き遍路を始めて発見。

ちょっと先の遍路小屋に入っていった。
遍路小屋には、もう1人別の人が休憩してた。
話してみたかったけど、すぐ前に休憩したばっかりだったので、なんとなく通り過ぎてしまった。

なので、後姿だけ。

また、どこかで会えるといいな。
 

ホテルの手前で、前から来た逆打ち遍路さん。
呼び止めて、尋問開始。

今回が3回目で、2回目も4年前の閏年に逆打ちをしたとか。
大変ですかー、って聞いたら。
そうでもないそうだ。
ベテランさんだ。
住吉荘に泊まるので、まだ、6,7キロ先だ。
なのに、足摺岬のコースこととか、長々を聞いてしまった。

 

高知黒潮ホテル

建物:ビルだ
部屋:キレイ
風呂:となりの日帰り施設に無料で入れる。
もちろん、浴衣あり、タオルあり
洗濯:乾燥まで全自動で1000円。使う奴はいない。
食事(夕):少ないけど、そこそこ美味しい
食事(朝):洋食を洗濯。遍路には少ないけど。
対応:
料金:8,900円
遍路的には高いけど、普通で考えれば、安い。
都会的なビルで、民宿に無い安心を買える

部屋も、十分。
品プリより広い(笑)

椅子と机もうれしい。
たたみにテーブルだと、腰が痛い。

夕食。普通だけど十分だ。

ホテルのレストランで、昨日の宿で一緒だった人と同じタイミングになり、

一緒の席にしてもらって、いろいろ話せた。

一番最初に会ったのは、27番の帰り道で、向こうは登ってくるところ。
サングラスをしていたこともあったけど、20代に見えた。
宿では、もう少しちゃんと見たけど、35ぐらいかなと。
しかし、実際の年齢を聞いてみると、49歳。

区切りで、兵庫から来た。
顔つきから、なんとなく同業かと思い聞いてみると、ドンピシャ。
明後日には帰ってしまうので、泊まる宿や距離について、偉そうに伝授しちゃった。

明日もあさっても会えそうだ。