15日目:35番清滝寺~37番岩本寺手前(柳屋旅館)

いま、この表紙画像の宿にいます。
高知県須崎市にある柳屋旅館

この宿、NHKのドラマウォーカーズのロケに使われた宿なんです。
ボクが、お遍路を始めようと思ったひとつのきっかけであることは間違いないです。このドラマ面白かったし。

今日のネタは、もうひとつ
須崎市に入る数キロ手前の遍路小屋で休憩してるベテラン遍路さんから、いろいろ話しを聞くことができました。
その方、もう7回目だそうで、2回目以降は、延々まわっているそうです。
いわゆるお遍路貧乏なのかと思いきや、ザックはちゃんとした山用のを使ってるし、それほどおかしな格好じゃないです。
それほど、変な人ではないし。
で、
野宿や宿泊まりや食事について。
その人曰く、宿泊まりをすることは別にいいと思うけど、宿の食事は、とっちゃだめだと。素泊まりにして粗食にすべきと。
お遍路やってるんだから、日常の生活水準より落とさなければ意味がない。つまり、宿の豪勢な食事は、日常よりレベルアップしてるから駄目だという説です。
痛みや、寒さや、空腹などを抱えて遍路道を歩くべき、そこから何かが見えてくる。
確かに一理ある。なるほど、そうゆうもんかと関心。
こういった話が延々続くわけだ。

早く宿に行きたいけど、話しを切るのが難しい。。。
かれこれ、40分以上続いたとき、若いお遍路さんが通りかかる。
「しめた!」
これ幸いと、笑顔で挨拶し、小屋に引き入れた。
御仁が若いお遍路さんに話しかけている間。
「じゃ、そろそろ行きますんで。」と小屋を後にした。

宿への道すがら、そのときの言葉を思い出し、いろいろ考えた。
最後まで、その御仁には、「お仕事はなんですか?」とは聞けなかった。還暦前だと言っていたし・・・。
あと、写真も撮れなかった。なんか勘違いされると困るからだ。

ああなると、もういっぱしの宗教家だ。
話している内容が、それほど極端というわけでもないし、本人も、なんか宗教的になっちゃうけどね、と話しながらだったので、特別変な人ではない。

ただ、お遍路を歩いてる人ってのは、余裕がある人ってことだ。
最低、時間的余裕と金銭的余裕が必要だし。
江戸時代だろうが、現代だろうが、自分の生活を守ることが精一杯の人には、絶対にできないはずだ。
もし、ボクに家族があって、働かないと子供の学費が払えないとか、仕事を辞めたら、今の給料を維持できる仕事を探すことが難しいとか、そういった状況なら、たぶん遍路なんてしてないだろう。
それが許される状況が、すでに大きな余裕である。
中田英寿は、自分探しの旅で海外を飛び回り、とてつもない豪勢なホテルに泊まってた。テレビで見た限りでは(笑)
ボクは、1200キロ歩くお遍路より、個人手配の海外旅行にひとりで行ける人のほうが尊敬できる。

お遍路も道楽でしょう。
歩き遍路するひとが「えらい」なんてことは絶対にない。
道行く人が、「ご苦労様です」なんて声を掛けてくれるが、正直、恥ずかしかったりする。
昨日、バスツアー云々をいろいろ書いたけど、一番お金がかからないのが、バスツアーであり、一番お金がかかるのが歩き遍路だ。
仮に、野宿したって、納経料含め、1日何千円かは使うわけだし、一番時間がかかるから、その間給料はもらえんない。
言ってみれば、歩いてる奴が一番裕福だと思うし、
あえてやらなくてもいいことを、好きで勝手にやってるだけだし。

苦難を味わって、自分の器を広げるなら
納期を3日前に控えているにもかかわらず、絶対に間に合わない状況で、キシキシする胃の痛みに堪えながら、3日間連続で徹夜したり、
ミスタイプして、お客さんのデータを全削除してしまい、頭が真っ白になって、現実逃避し始めたりするほうが、精神的には強くなるし、器も大きくなって、たいていの問題では動じなくなる(笑)

長くなってしまったけど。
今日は、35キロぐらいかな。昨日の35キロは寺が5つもあったので大変だったけど、今日は、寺ひとつだし、道のりも平坦だったので、比較的楽だった。

孤独を回避するために、昨日までのビジネスホテル三昧を辞め、せっかく民宿に泊まったのに、遍路の宿泊者は、ボク1人でした。

いっぱい書いちゃったけど、やっぱりいまいちな1日。


早めの6:15に宿を出発。
目覚ましがなくても、5:00になると目が覚める。
よるは、いまだに良く眠れない。
寝つきが悪いうえに、1時2時ごろに一回が覚めちゃうんだ。
時差があるのかな、四国。

遍路小屋で、お遍路さんを発見し、少し話しかけるけど、盛り上がらず。
と、山道を歩こうと思っていたのに、お遍路さんに気を取られ、見過ごしてしまった。

やむを得ず、塚地坂トンネルを行く
このトンネルは、歩道があるので助かる。

これも、お遍路だ

左に、宇佐大橋が見えてきた。

絵になる橋っぽい。

36番から、37番へは、来た道を打ち戻るコースと、ぐるっと周るコースがあるが、回るコースは、アップダウンが激しいということで、打ち戻ることに。
なので、この釣具屋さんにザックを預け、身軽になって36番に行くことに。

おばちゃんが快く対応してくれた。

 

やっぱ、絵になる。

でも、この橋長い。
1キロあるみたい。


36番 青龍寺山門

あっという間に到着。
比較的平地にあるので、寺までの登りもないし、身軽な3キロなんて、ホント楽ちん。

36番 青龍寺本堂

打戻り途中、4,5人のお遍路さんと行き違う。
みな、挨拶だけで終了。
この時期多いので、前のような感動はない。
あと、相手の顔つきで、話したそうか、なさそうかがだいたい分かってきた。 

そそ、この36番のそばには、あの野球で有名な、

いまは朝青龍で有名な明徳義塾があるんです。
知らなかった。
この36番手のは、半島の先みたいな辺鄙な場所。

そういえば、36番は、青龍寺
朝青龍の青龍は、寺の名前
ふと気がついて調べてみたら、そうみたい。

へーへーへー。

須崎市にはいる。

湖のような湾です。
ながーいながーい湾

たまに山間部に入って

たまにトンネル

そう、このトンネル。歩くとこないの。
怖いの何の。トンネルってだいたい道狭いので、ボクと車2台が重なったら、ぎりぎり。
だから、車が通らないように神様にお願いしながら歩いたら。
ほんとに通らなかった。
やっぱ、いるんだ神様

んでもって、また湾

湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾
森森森
トンネル
ぐらいの割合。

久しぶりに人を発見!

釣りしてるおじさんがいたので、
話しかけてみた。

こっちへ寄って来て、いろいろ話してくれる。
よかった、俺とおんなじで、話し相手を探してたんだ。

高知市から来た。
獲物はキス。
本日の収穫は、キス1匹
運動のため、1日1,2時間歩いてる。
歩くのは、気持ちいい。

感じのいい、ステキなおじさんだった。
別れ際
「がんばってくださいね」と言われたので
「ボクは、おじさんの大漁を祈っています」と言ってあげた。

突然雨が降り出し、本降りになり始めたので、なんとなく売店に入ったら、
「今日はねー、食べ物みんな売れちゃって何もないのよー」と、なんだか、追い返すように言われ、しきりに向かい店を勧められた。
「ここはねー、この時間でもモーニングがあるから、いいわよー。」
と、別にお腹も空いてないのに、あんまり言うので
その店に入ってモーニングを注文する。

 

450円は、格安だが、すごいレパートリーだった。
トースト(ジャム付き)
味噌汁
ちいさなオムスビ
サラダ、フルーツ、ゆで卵
寒天
まー、アイスコーヒーを注文したのは自分自身だが。

決して合うわけではないが、バラバラに食べればいいのだ。

 また、トンネルの話しに戻るが
これぐらいあれば、歩ける。

須崎市市街に入ったとこで、かも軍団を見つけた。

写真を撮りに来たボクに気づき、がやがやしだす。
1羽だけアヒル

高知県須崎市 柳屋旅館

建物:古いが雰囲気がある
部屋:古いが雰囲気があってとてもいい。
たまたま、二間続きの離れを1人で占有
隣の部屋に布団が敷いてあって、すごくいい。
風呂:新しい。
浴衣あり、タオルあり
布団:キレイ
洗濯:洗濯無料、乾燥機はあるが、乾かないのでないのと同じ
食事(夕):美味しい(部屋食)
食事(朝):美味しい(部屋食)
対応:旅館の気遣いがある
料金:6,500円

古めかしい、歴史ある雰囲気で結構いい。
オススメ

この階段の3段目に座って、江口洋介が・・・。
などと、女将が3シーンすべてを説明してくれた。

なんとなく、ドラマを思い出し。
ちょっと新鮮な気分。

宿に飾ってあった。
江口洋介の写真を撮ろうとしたら、さんざん駄目だといわれたらしい。
肖像権の問題だ。
でも、近所にいた人が撮っていたらしい。